設計会社や工務店、不動産屋、ビルダー等が非住宅の木造建築プロジェクトを展開する際、多くの企業が下請け(一棟請け、丸投げ、施工店)の利用を検討します。
この方法は、建設地の条件、予算、完成希望時期などの基本情報を踏まえ、建築したい施設の種類や用途を明確にし、適切な施工業者を選定することで、プロジェクトを効果的に進めることができます。
下請けを選択することには、2024年問題に対応できる可能性や生産性の向上、協力関係の強化、そして人材不足の解消などのメリットがありますが、品質管理の難しさ、コミュニケーションの課題、スケジュールの遅延、費用管理の難しさなどのデメリットも存在します。
これらの点を考慮に入れ、非住宅の木造建築を下請けに依頼する場合の利点と潜在的なリスクをバランス良く理解することが重要です。
木造建築を下請け(一棟請け、丸投げ、施工店)に依頼する方法
非住宅木造建築プロジェクトは、下請けの形で進めると多くの利点があります。
下請けに一棟請けや丸投げ、施工店としての依頼する場合は、以下の3ステップで進めましょう。
依頼の3ステップ
- 建設地の条件、予算、完成希望時期などの基本情報を決める
- 建築したい施設の種類や用途を明確にする
- 施工業者を選定する
意匠設計が既にあり、建築施工のみを依頼したい場合は慎重に探すことが大切です。
ただコストが安いだけで選定すると後々、無駄な労力やコストがかかる場合があります。
①建設地の条件、予算、完成希望時期などの基本情報を決める
プロジェクトを成功させるためにはまず、建設地の条件、予算、そして完成希望時期などの基本情報を決めましょう。
この段階では、プロジェクトの規模や場所の特性、予算の制約、タイムラインの設定などが重要です。
例えば、交通の便や地盤の状態、周辺環境などの建設地の条件を詳細に検討することは、後の工程でのリスクを減らすことにつながります。
②建築したい施設の種類や用途を明確にする
次に、建築したい施設の種類や用途を明確にしましょう。
非住宅の木造建築と一言で言っても、オフィスビル、商業施設、教育機関、公共施設など様々なタイプがあります。
各施設の用途に応じた設計や機能の要求が異なるため、建築する施設の目的や機能を事前に詳細に計画することは、後の設計や施工の精度を高める上では必要不可欠です。
③施工業者を選定する
最後に、適切な施工業者を選定します。
ここでは、経験豊富で信頼できる業者を選ぶことがポイント。
過去の実績、専門性、プロジェクトへの対応力、コストパフォーマンスなどを考慮し、複数の業者と比較検討することが大切です。
業者選びでは、下請けとしての協力体制や技術力、納期の守り方なども詳しく調査し、プロジェクトに最適なパートナーを見つけ出すことが、成功へとつながるのです。
下請けに依頼する4つのメリット
施工のみを外注するメリットは、多岐に渡りますが、
下請けに任せることでお施主様やオーナーの打合せに専念でき、現場が遠い所であれば社員の移動時間や残業時間の削減にもつながります。
現場のやり手が少ない中、下請けに施工をお願いできればキャパを広げることも可能です。
また、下請けに見積もりを取ることで自社の単価も見直しができ自社と下請けの良いとこ取りも可能となります。
4つのメリット
- 2024年問題にも対応:下請け企業に作業を任せることで、管理作業が楽になり、自社のリソースを効果的に活用できます。
- 生産性向上:営業力がある下請け企業に依頼することで、多くのプロジェクトをこなすことができ、生産性が向上します。
- 協力関係の強化:優秀な協力業者を選定することで、お互いにメリットを享受しつつ、協力関係を強化することができます。
- 人材不足の解消:木造建築の職人が少ない中、下請け企業を活用することで、人手不足に対応することが可能です。
①2024年問題に対応
2024年問題とは、建築業界で技術者の高齢化と後継者不足が進行することにより、多くのプロジェクトが影響を受けることが予想される問題です。
下請けを利用することで、経験豊富な業者が持つノウハウと若手技術者の育成をバランス良く組み合わせることが可能となり、技術的な継承と人材の確保を同時に進めることができます。
これにより、将来のリスクを回避し、プロジェクトの安定的な進行が期待できます。
②生産性向上
下請け企業は、特定の分野において高度な専門性を持っています。
専門知識を活用することで作業の効率化を実現し、全体の生産性を大幅に向上させることが可能です。
例えば、最新の建築技術や材料の選定に関する専門知識を持つ下請け企業を活用することで、時間とコストの節約に繋がります。
③協力関係の強化
長期にわたる協力関係を築くことは、互いの信頼を強化し、連携を密にします。
特に複雑な木造建築プロジェクトにおいては、信頼できるパートナーとして下請け企業が大きな役割を担います。
また、協力関係を強化することにより、お互いにメリットを享受したり、別の案件でもスムーズな進行ができるようになったりすることが可能です。
④人材不足の解消
建築業界における人材不足は深刻な問題となっていますが、下請けを活用することで、この課題を軽減することができます。
下請け企業は多様なプロジェクトに対応できる多種多様な人材を持っており、それを最大限に活用することで、人材不足によるプロジェクトの遅延や品質低下を防ぐことができます。
下請けに依頼する4つのデメリット
下請けに依頼することは多くのメリットがありますが、一方で把握しておくべきデメリットもあります。
自社で施工するよりも下請けの方がコストは上がるというのが一番のデメリットでしょう。
逆を返せば人件費、管理費との費用対効果になりますので、どちらが適正かはしっかり計算する必要があります。
4つのデメリット
- 品質管理が難しい
- コミュニケーションの課題
- スケジュールの遅延
- 費用の管理
①品質管理が難しい
下請け企業に一棟請けや丸投げをする場合、プロジェクト全体の品質管理が難しくなる場合があります。
下請け企業によっては、主契約者の品質基準や要求を満たす能力が十分でないことや、
複数の下請け企業を管理することにより、品質のばらつきが発生するリスクが高まるからです。
これにより、最終的な建物の品質に影響を与える可能性があります。
下請け企業の技術力や信頼性が、最終成果の品質を左右するため、業者選定は非常に慎重に行う必要があります。
②コミュニケーションの課題
下請け企業との間でコミュニケーションを取ることは、プロジェクトの成功にとって非常に重要ですが、課題も多いです。
下請け企業が介在することで、情報の伝達が複雑になり、誤解やミスコミュニケーションが生じやすくなります。
これによって、プロジェクトの遅延やコストの増加を招く原因となることがあるのです。
コミュニケーションが不十分だと、プロジェクトの進行に影響を及ぼすリスクが高まります。
③スケジュールの遅延
下請け企業に依存することで、スケジュールの遅延が発生するリスクも考慮する必要があります。
下請け企業のリソースやスケジュールが予想外の理由で変更されると、プロジェクト全体のスケジュールに影響を及ぼす可能性があります。
特に、複数の下請け企業を調整する必要がある場合、一つの業者の遅延が連鎖的な遅延を引き起こすこともあります。
その結果、プロジェクト全体の納期に影響を与え、コスト増加につながることも少なくありません。
④費用の管理
下請けに仕事を外注することは、予期しないコストの増加を引き起こすことがあります。
見積もりが不正確であったり、追加の作業が必要になったりすると、予算を超えてしまうことも。
また、下請け企業間の調整にかかるコストや、品質の問題による再作業の必要性が、コストをさらに押し上げることがあります。
予算オーバーを防ぐためには、下請け企業への支払いを含めたプロジェクト全体のコスト管理を厳密に行いましょう。
予期しない追加費用や隠れたコストが発生する可能性もあるため、予算計画は慎重に立てる必要があります。
まとめ
非住宅の木造建築プロジェクトを進める際には、下請けに依頼することのメリットとデメリットの両方を理解することが重要です。
メリットとしては、2024年問題への対応、生産性の向上、協力関係の強化、人材不足の解消が挙げられます。
一方で、デメリットとしては、品質管理の難しさ、コミュニケーションの課題、スケジュールの遅延、費用管理の複雑化があります。
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