新築やリフォーム、リノベーションをお考えの方は、設計事務所選びに悩まれるのではないでしょうか。
建物のデザインや間取り、仕様など、お客様のご要望をカタチにしてくれるのが設計事務所です。
でも、意匠設計事務所にもいろいろな種類があり、どの事務所に依頼するのがベストなのかわからないという方も多いと思います。
設計事務所選びで失敗すると、希望していたものとは違う建物ができあがってしまったり、予算オーバーになってしまう可能性も。
新築やリフォームは、一生に一度の大きな買い物です。
満足のいく住まいづくりのためにも、自分にぴったりの設計事務所を見つけることが大切なのです。
そこで今回は、意匠設計の基本的な仕事内容や、意匠設計事務所の種類、選び方のポイントをご紹介します。
さらに、人気のおすすめ意匠設計事務所を厳選して3社ピックアップ。
これを読めば、あなたにぴったりの設計事務所が必ず見つかるはずです!
意匠設計とは
意匠設計の仕事内容
意匠設計とは、建物の外観や内装などのデザインを行う仕事のことを指します。
建物の形や色、素材、レイアウトなど、美しさや使いやすさ、居心地の良さなどを考えながら、お客様の要望をカタチにしていくのが意匠設計の役割です。
また、意匠設計は、単に見た目を良くするだけでなく、建物の用途や周辺環境、予算などを考慮しながら、総合的にデザインを行っていきます。
たとえば、住宅の場合は、家族構成やライフスタイル、趣味嗜好などをヒアリングし、それらを反映させた間取りやデザインを提案します。
商業施設であれば、ターゲットとする客層や業態、ブランドイメージなどを考慮し、集客力や販売力を高めるデザインを考えていきます。
このように、意匠設計は、建物の美しさと機能性を高次元で両立させる、創造性あふれる仕事なのです。
意匠設計に必要な資格とスキル
意匠設計の仕事に就くには、一級建築士や二級建築士などの建築士資格が必要となります。
建築士資格は、意匠設計だけでなく、構造設計や設備設計など、建築に関する幅広い知識が求められる国家資格です。
建築士になるには、大学や専門学校で建築について学び、卒業後に実務経験を積んだ上で、建築士試験に合格する必要があります。
資格取得までの道のりは決して楽ではありませんが、建築士の資格があれば、設計事務所への就職や独立が有利になります。
また、意匠設計の仕事では、デザインセンスやプレゼンテーション能力、コミュニケーション能力なども重要となります。
お客様の要望をしっかりとヒアリングし、それを的確にデザインに落とし込む能力が求められます。
パースや模型、CGなどを使って、お客様にデザインのイメージを正確に伝える力も必要でしょう。
意匠設計の仕事は、クリエイティビティとテクニカルスキル、そしてコミュニケーション能力など、様々な能力が求められる、やりがいのある仕事なのです。
意匠設計事務所の種類
意匠設計を行う事務所には、大きく分けて4つの種類があります。
それぞれの特徴や得意分野が異なるので、自分のニーズにあった事務所選びが重要になります。
ここでは、4つの意匠設計事務所の種類について詳しく解説していきましょう。
アトリエ系設計事務所
アトリエ系設計事務所は、独立した建築家が主宰する小規模な事務所のことを指します。
建築家のデザイン思想やこだわりが強く反映された、オリジナリティあふれる建築を得意としています。
住宅をはじめ、店舗や小規模な商業施設など、比較的小さな規模の建築物を手がけることが多いのが特徴です。
建築家との密なコミュニケーションを通して、こだわりの詰まった空間づくりを実現できるのがアトリエ系設計事務所の魅力といえるでしょう。
一方で、規模が小さいがゆえに、大規模なプロジェクトには不向きな面もあります。
総合的なプロデュース力には限界があるので、規模や用途によっては、他の種類の事務所も検討する必要があります。
組織系設計事務所
組織系設計事務所は、意匠設計だけでなく、構造設計や設備設計、監理まで一貫して行う大手の事務所のことをいいます。
多数の建築家やスタッフが在籍しており、設計から施工までトータルでサポートしてくれるのが特徴です。
大規模な建築物や複合施設、再開発プロジェクトなど、大きなプロジェクトを数多く手がけるのが組織系設計事務所の強みといえます。
豊富な人材とノウハウを活かし、意匠設計だけでなく、予算管理や工程管理、各種申請業務などもワンストップで行ってくれるので、安心感があります。
一方で、アトリエ系と比べると、建築家個人の感性が反映されにくいのがデメリット。
また、手数料も高額になりがちなので、コストパフォーマンスを重視する人には向かないかもしれません。
コンサル系設計事務所
コンサル系設計事務所は、意匠設計だけでなく、建築計画や事業計画、各種コンサルティングなども行う事務所のことです。
クライアントの事業戦略に合わせて、建築の企画立案から、プロジェクトマネジメントまで、トータルなサービスを提供してくれます。
オフィスビルや商業施設など、投資物件としての建築に強いのがコンサル系設計事務所の特徴。
事業性を見据えた企画提案力には定評があります。
ただし、意匠設計の割合が少ない分、デザイン性は若干劣る場合もあるので注意が必要です。
ハウスメーカーの設計部門
ハウスメーカーの中には、自社で設計部門を持ち、意匠設計を行っているところもあります。
住宅に特化しているため、住宅の設計に関するノウハウが豊富なのが強みです。
また、設計と施工が一体となっているため、コストパフォーマンスに優れているのも魅力。
一方で、自由度の高いデザインは苦手な傾向にあります。
プランや仕様が標準化されているため、こだわりの強い人には物足りなく感じるかもしれません。
意匠設計事務所の選び方
意匠設計事務所の種類がわかったところで、次は実際の選び方について解説します。
事務所選びのポイントを押さえて、自分にぴったりの事務所を見つけましょう。
事務所の専門性や得意分野を確認
まずは、事務所の専門性や得意分野をチェックすることが大切です。
意匠設計事務所によって、住宅やオフィス、商業施設など、得意とする建物の用途が異なります。
また、デザインのテイストも事務所ごとに違うので、自分の好みに合った事務所を選ぶことが重要。
事務所のホームページやポートフォリオをチェックして、これまでの作品事例をよく見ておきましょう。
実際に訪問して、事務所の雰囲気を肌で感じるのもおすすめです。
事務所の仕事の受け方や体制をチェック
次に、事務所の仕事の進め方や体制を確認しておくことが大切です。
意匠設計から監理まで、一貫してサポートしてくれる事務所もあれば、設計のみを行う事務所もあります。
自分のニーズに合った、最適なサポート体制の事務所を選びましょう。
また、担当者との相性も大切なポイントです。
設計には長い時間がかかるため、コミュニケーションが取りやすい担当者かどうかも重要。
事前に担当者と面談し、相性を確かめておくと良いでしょう。
事務所の実績やデザイン性を比較
意匠設計事務所選びで欠かせないのが、事務所の実績やデザイン性のチェックです。
豊富な実績を持つ事務所は、様々なタイプの建物に対応できる確かな技術力を持っています。
また、デザイン性の高い事務所は、オリジナリティあふれる空間づくりが期待できます。
事務所の過去の作品を見て、デザインの完成度の高さも比較しておきたいポイントです。
リフォームやリノベーションの実績も重要
新築だけでなく、リフォームやリノベーションの実績がある事務所も狙い目。
意匠設計だけでなく、既存建物のリニューアルに長けている事務所なら、より幅広い提案が期待できます。
築古物件を購入してリノベーションする場合や、自宅の古くなった内装を一新したい場合など、リフォームの実績豊富な事務所がおすすめです。
図面だけの依頼も可能か確認
自分で施工業者を手配したい場合など、意匠設計の図面だけを依頼したいケースもあるでしょう。
しかし、意匠設計のみを受け付けている事務所は多くありません。
図面だけの依頼を希望する場合は、事前によく確認しておく必要があります。
ただし、設計と施工が分離した場合、設計者の意図が正しく反映されない恐れもあるので注意が必要。
トラブルを避けるためにも、可能な限り、設計から監理まで一貫してサポートしてくれる事務所に依頼するのがおすすめです。
人気のおすすめ意匠設計事務所3選
意匠設計事務所にもいろいろな特徴があるのがお分かりいただけたかと思います。
では実際に、人気でおすすめの意匠設計事務所を3つ厳選してご紹介しましょう。
それぞれの事務所の 特徴やデザインの特色、強みなどを見ていきましょう。
イー・スマイル
イー・スマイルは、「笑顔日本一を目指す」ことをモットーとしている、意匠設計にも力を入れている会社です。
愛知県を拠点に、様々な事業を展開。
幅広いネットワークを活かして、意匠設計から施工、アフターフォローまで一気通貫で行うのが特徴です。
特に、分譲住宅ブランド「CREILE」の設計・施工では、細部までこだわったデザイン性の高さが評判。
機能性にも優れた、暮らしやすさを追求した住まいづくりに定評があります。
自社での施工体制を持っているため、設計の意図を正確に現場に伝えられるのも強みの一つ。
意匠設計の図面を形にする技術力の高さは、同社の大きな魅力といえるでしょう。
また、セミオーダー住宅にも対応しているので、注文住宅のような自由度の高さも特徴です。
分譲住宅の枠にとらわれない、ある程度自由にカスタマイズできる点が人気の理由。
地域密着型のフットワークの軽さと、施工力を兼ね備えた意匠設計事務所なのです。
株式会社 日建設計
日建設計は、国内最大手の組織系設計事務所です。
1900年の創業以来、120年以上にわたって数多くの建築物を手がけてきました。
国内外で25,000件以上の実績を誇り、高い技術力とデザイン力が評価されています。
大規模な再開発プロジェクトや高層ビル、文化施設など、多様な用途の建築物のデザインが得意。
意匠設計だけでなく、構造設計や設備設計、プロジェクトマネジメントまで、ワンストップで提供できる体制が強みです。
また、環境に配慮した持続可能な建築デザインにも力を入れており、グリーンビルディングの分野でも高い評価を得ています。
東京スカイツリーや東京ドーム、国立競技場など、ランドマークとなる建築物も手がけています。
大規模プロジェクトを任せられる、頼もしい存在の設計事務所です。
株式会社NTTファシリティーズ
NTTファシリティーズは、NTTグループの設計会社です。
通信設備の設計を得意としており、高い技術力が売りです。
通信施設のほか、オフィスビルや商業施設、データセンターなど、多様な用途の建物を手がけています。
意匠設計とともに、電気設備や空調設備などの設備設計にも定評があります。
大規模プロジェクトにも数多く携わっており、プロジェクトマネジメントのスキルの高さも特徴。
ミッションクリティカルな施設づくりのノウハウを活かし、ファシリティマネジメントのサービス展開も進めています。
先進的なICTを活用した建物づくりにも注力しており、次世代のスマートビルディングをリードする存在といえるでしょう。
東京中央郵便局やNTTドコモ代々木ビル、TOTOミュージアムなど、数々の有名建築を生み出しています。
まとめ
ここまで、意匠設計の基本的な仕事内容から、意匠設計事務所の種類、選び方のポイント、おすすめの事務所まで、意匠設計に関する幅広い情報をお伝えしてきました。
改めてポイントをおさらいすると、意匠設計事務所選びで重要なのは、以下の3点です。
- 事務所の専門性や得意分野を見極める
- 事務所の仕事の受け方や体制を確認する
- 事務所の実績やデザイン性をチェックする
自分の希望するデザインやニーズに合った事務所を見つけるためには、しっかりとリサーチを行うことが大切です。
単に有名だからとか、大手だからという理由で決めるのではなく、自分に合った事務所を探すことが肝心。
今回紹介した日建設計やNTTファシリティーズは、大規模プロジェクトに強みを持つ大手の組織系事務所。
一方、イー・スマイルは、意匠設計から施工までを一貫して行う、地域に根差した事務所です。
プロジェクトの規模や用途、予算など、様々な条件を考慮しながら、最適な事務所を選ぶことが重要といえるでしょう。
意匠設計は、建物の顔となるデザインを決める、非常に重要な仕事。
建物の美しさと機能性を高いレベルで両立させるためには、優れた意匠設計事務所の力が不可欠です。
新築やリフォームを計画している方は、ぜひ自分に合った意匠設計事務所を見つけて、理想の建物を実現させてください。
納得のいく建物をつくるためにも、意匠設計事務所選びはとても重要。
時間をかけてじっくりと検討し、最高のパートナーを見つけることが、成功への第一歩となるでしょう。